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  1. 愛知県議会 2022-12-01
    令和4年12月定例会(第2号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 令和4年12月定例会(第2号) 本文 2022-12-05 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 16 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長須崎かん君) 選択 2 :  ◯議長須崎かん君) 選択 3 :  ◯八十二番(丹羽洋章君) 選択 4 :  ◯知事大村秀章君) 選択 5 :  ◯警察本部長鎌田徹郎君) 選択 6 :  ◯教育長飯田靖君) 選択 7 :  ◯四十番(南部文宏君) 選択 8 :  ◯議長須崎かん君) 選択 9 :  ◯議長須崎かん君) 選択 10 :  ◯議長須崎かん君) 選択 11 :  ◯十九番(黒田太郎君) 選択 12 :  ◯知事大村秀章君) 選択 13 :  ◯警察本部長鎌田徹郎君) 選択 14 :  ◯四十一番(山田たかお君) 選択 15 :  ◯議長須崎かん君) 選択 16 :  ◯議長須崎かん君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時十分開議 ◯議長須崎かん君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問並びに第百六十号議案令和四年度愛       知県一般会計補正予算から第百九十八号議案       令和四年度愛知県一般会計補正予算まで 2: ◯議長須崎かん君) 第百六十号議案令和四年度愛知県一般会計補正予算から第百九十八号議案令和四年度愛知県一般会計補正予算までを一括議題といたします。  なお、第百七十一号議案個人情報の保護に関する法律施行条例の制定についてのうち、職員に関する事項及び第百七十五号議案職員の給与に関する条例等の一部改正について、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見を徴しましたところ、いずれも妥当なものであると認める旨の回答を受けましたので、御報告いたします。  これより一般質問並び提出議案に対する質問を許します。  通告により質問を許可いたします。  丹羽洋章議員。     〔八十二番丹羽洋章君登壇〕(拍手) 3: ◯八十二番(丹羽洋章君) おはようございます。  本年度、自由民主党愛知議員団政調会長を仰せつかっております豊橋市選出の丹羽洋章でございます。  それでは、自由民主党愛知議員団を代表いたしまして、順次質問をしてまいります。  質問の第一は、行財政運営についてであります。  初めに、県税収入見込みについてお伺いいたします。  最近の我が国の景気は、飲食、宿泊などサービス消費の回復が続いていることや設備投資が堅調なことなどから緩やかに持ち直しております。先行きにつきましては、ウイズコロナの下で、各種政策の効果もあって景気が持ち直していくことが期待されますが、物価の上昇や供給面での制約、金融資本市場変動等の影響に十分注意する必要があるとされております。  また、先般発表された三月期上場企業の九月中間期決算収益状況を見ますと、円安を下支えに、製造業全体の連結経常利益は七%の増益となったものの、半導体不足原材料価格の高騰の影響により、本県の主要産業である自動車関連産業では四%の減益となっております。来年三月期の通期業績予想につきましても、原材料価格の高騰などから慎重な見通しとなっております。
     そこでお伺いいたします。  こうした最近の経済情勢などを踏まえ、今年度及び来年度の県税収入について、どのような見込みを立てているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、今後の財政運営についてお伺いいたします。  昨今の原材料価格の上昇に加え、円安の影響などから、エネルギー、食料品等の物価上昇が続いていることを踏まえて、国は十月末に、足元の物価高騰など経済情勢の変化に切れ目なく対応し、新しい資本主義の加速による日本経済の再生に向けて、物価高騰・賃上げへの取組など四つの柱を据えた物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策を策定しました。  そして、経済対策を確実なものとするために、二十八・九兆円もの補正予算が編成されたところであります。本県においても、これに呼応した対策を講じることで、引き続き地域経済や住民生活の下支えに注力されることが望まれます。  今回の経済対策には、エネルギー、食料品等の価格高騰により厳しい状況にある生活者、事業者への支援に加え、ウイズコロナ下での感染症対応の強化、防災・減災、国土強靱化の推進などが盛り込まれております。これらは、本県において既に取組が進められているものでありますが、今後も引き続き積極的な施策の展開を図っていく必要があると認識しています。  一方で、本県の財政は、単年度の歳入だけで歳出を賄えず、多額の基金の取崩しに依存する状況が続いており、今年度も千二百六十億円もの基金の取崩しが計上されています。また、来年度以降も少子・高齢化の一層の進展が見込まれ、社会保障関係費の増加が避けられないことから、こうした厳しい財政状況は継続するものと見込まれます。  その中にあっても、新型コロナウイルス感染症への対応はもちろんでありますが、幅広い施策を下支えできる安定的な財政運営を進めていくためには、十分な財政基盤を確保していくことが不可欠であると考えます。  そこでお伺いいたします。  今後の財政運営にどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、あいち行革プラン二〇二〇後半期の取組の策定についてお伺いいたします。  本県では、一九八五年以降、一連の行革大綱の下で、積極的かつ計画的に行財政改革に取り組んでまいりました。現在は、二〇一九年十二月に策定されたあいち行革プラン二〇二〇に基づく取組が進められています。  また、今年度は、プランの計画期間の中間年度に当たるため、これまでの成果と課題を検証しています。そして、行財政改革のさらなる推進に向けて、個別取組事項の内容を追加、充実することとしており、現在、年内の策定に向け、最終的な詰めの作業を行っていると伺っております。  現在のプランが策定された後に、新型コロナウイルス感染症が発生し、それは今なお県民の生命や健康はもとより、経済活動、日常生活、教育など、あらゆる分野に影響を与え続けています。  また、感染症対策を契機とする社会全体のデジタル化の進展をはじめ、県政を取り巻く環境は大きく、かつ急速に変化しています。  こうした状況の下で、持続可能な行財政運営を推進していくためには、新たな課題にもしっかりと対応した行革の取組を行っていく必要があると考えられます。  我が党県議団といたしましても、八月二十五日に提出いたしました県の重要施策に関する要望において、人員体制の確保を図りつつ、スピーディーでしなやかな県庁の実現に向けて、引き続き全庁を挙げて行財政改革に取り組むとともに、後半期の取組を策定し、より一層強力に推進することを要望したところであります。  こうした中、去る十一月十五日に明らかになりました後半期の取組素案で、現プランの改革の目標や主要取組事項などの骨格は維持しつつ、今日までの環境変化によって生じた新しい政策課題や県民ニーズに対応するために、内容の追加、充実を行っていくとの方向性が示されました。  そこでお伺いいたします。  あいち行革プラン二〇二〇について、これまでの成果と課題をどのように認識しているのか、また、その認識を踏まえた上で、どのように後半期の取組を策定していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、安全・安心な暮らしの実現についてであります。  まず、ギャンブル等依存症対策の推進についてお伺いいたします。  二〇一八年七月にギャンブル等依存症対策基本法が成立し、同年十月に施行されてからはや四年が経過しました。  依存症とは、やめたくてもやめられない状態に陥ることであります。競馬などの公営競技やパチンコといったギャンブルについては、多くの方々は健全に楽しんでいます。その一方で、ギャンブルにのめり込んでしまい、ギャンブル等依存症と呼ばれる状態に至り、本人とその家族の日常生活や社会生活に支障を来したり、多重債務や貧困、虐待、自殺、犯罪等の様々な社会問題を生じさせてしまう人もいます。  この法律では、ギャンブル等依存症対策に関する基本理念を定めるとともに、国、地方公共団体、関係事業者、国民等の責務や基本的施策等が示され、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進し、国民の健全な生活の確保を図ることと、国民が安心して暮らすことのできる社会の実現を目指すことがうたわれております。  本県においても、二〇二〇年三月に愛知県ギャンブル等依存症対策推進計画を策定し、関係機関が相互に連携、協力しながら、ギャンブル等依存症対策を総合的に推進しているところであります。この計画に基づき、必要な研修が実施され、相談支援関係者等の資質向上が図られるなど、様々な取組がなされていると伺っております。  しかしながら、ギャンブル等依存症患者とその家族等を支援する民間団体の関係者からは、ギャンブル等依存症は、ほかの依存症のように本人の抑制が効かず、本人の意思で治せるものではないという認識が世間で幅広く共有されるまでには至っておらず、ギャンブル等依存症は病気であるという普及啓発をさらに進めることが重要であるとのお話をお聞きします。  昨今においては、新型コロナウイルス感染症の影響により在宅時間が増えることで、日常生活の中においてインターネットを利用する時間が長くなってきていると言われております。インターネットを通じて気軽にギャンブルができることもあり、公営競技におけるインターネットを利用した投票の増加が顕著である昨今、さらにギャンブル等依存症患者が増えていくことを大変危惧しているところであります。  また、今年四月には全国の都道府県及び政令指定都市において、ギャンブル等依存症の相談拠点機関が全て整備されたと伺っております。依存症対策のさらなる充実のため、体制整備に加えて、関係機関の連携強化を一層進めていく必要があるものと考えます。  そこでお伺いいたします。  県では、ギャンブル等依存症対策にどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、明治用水頭首工の漏水事故への対応についてお伺いいたします。  本年五月十七日に発生した明治用水頭首工における大規模な漏水事故では、河川水位の低下により取水が不可能となり、農業用水、工業用水の供給が停止される事態となりました。東海農政局は、国土交通省や水資源機構の協力を得て、取水口付近に最大で二百十七台もの仮設ポンプを設置するとともに、自然取水を可能とするため、矢板や土のうによる仮設構造物を設置し、懸命に用水の確保に取り組んでこられました。  また、県管理河川や農業用の排水路へ県が保有する応急ポンプを設置し、明治用水へ給水するなど、関係機関が協力してありとあらゆる手だてを講じてきました。こうした取組により影響を最小限に食い止め、今年の稲刈りを終えることができたのは大変喜ばしいことであります。  明治用水開削以来の危機を乗り越えることができたのは、明治用水土地改良区が一日通水三日断水によるブロック割り通水を主導し、受益農家の方々が限られた水を分かち合ってきたことや、豊田土地改良区の協力を得て、明治用水の上流域にある枝下用水の末端施設から明治用水の受益地に水を回していただいたからであり、地域の絆により苦難を乗り切ってきたことを忘れてはなりません。  今回の漏水事故を受け、農林水産省が東海農政局に設置した明治用水頭首工復旧対策検討委員会では、事故原因の究明並びに対策工法について検討されており、今後の委員会では、漏水発生のメカニズムにおける調査報告の中間取りまとめがなされるとのことであります。  現在、頭首工においては、本復旧のための各種調査が行われており、いよいよ本復旧工事に着手されることとなりましたが、復旧までには三年余の期間を要すると聞いております。  そこでお伺いいたします。  明治用水頭首工の漏水事故について、県として応急対策にどのように関わってきたのか、また、今後の本復旧にどう対応していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、サイバー犯罪の情勢と取組についてお伺いいたします。  インターネットの登場によりサイバー空間という新たな空間が創出され、情報通信技術の発展、普及に伴い、デジタル経済が急速に発展するなど、サイバー空間はあらゆる人々に利便性をもたらしています。さらに近年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点と相まって、行政手続のオンライン化やテレワークの導入が進み、今やサイバー空間は誰もが参画し、重要な社会経済活動を営む公共空間となっております。  一方で、本年の警察白書によりますと、電子商取引が拡大し、キャッシュレス決済サービスが普及する中で、二〇二一年中のサイバー犯罪の検挙件数は過去最多を記録し、不正アクセスによる情報流出事案の発生や、ランサムウエアによる被害の拡大など、サイバー空間における脅威は極めて深刻な情勢が続いていると報告されています。  実際、私たちの日常生活においても、ショッピングサイトで料金を支払ったのに品物が届かない、身に覚えのないクレジットカードの支払いがあるなどの話を聞いたり、事業者が不正アクセス被害に遭い、個人情報が流出した、業務に関わるデータが暗号化され、大きな支障が出たなどの報道に触れる機会が増え、サイバー空間における脅威は身近になっていると強く感じています。  今後、情報通信技術の発達や社会のデジタル化がさらに進むことにより利便性がさらに高まり、サイバー空間の利用が不可逆的に一層進むと考えられます。その一方で、匿名性が高く、時間、場所の制約を受けないサイバー空間の特性に加え、新たな技術やサービスを悪用するなど、手口を深刻化、巧妙化させたサイバー犯罪が県民生活や社会経済活動を脅かすことが懸念されます。  こうした中、サイバー犯罪における被害を未然に防止するためには、まずはサイバー空間を利用する者が被害に遭うことのないよう、利便性の裏に潜む危険性を自ら理解し、対策に取り組んでいくことが必要であり、そのためにも警察は的確な情報発信や関係機関との連携を図っていくことが肝要であると考えます。  そこでお伺いいたします。  本県におけるサイバー犯罪の情勢はどのようなものか、また、サイバー犯罪の取締り及び未然防止に向けた取組について、警察本部長にお伺いいたします。  次に、不登校を経験した子供の教育機会の確保についてお伺いいたします。  十月下旬に文部科学省から、生徒指導上の諸課題に関する昨年度の調査結果が公表されました。この調査は、全国の小中学校と高校、特別支援学校を対象として毎年行われているものであり、いじめの認知件数や暴力行為の発生件数、年間三十日以上学校を欠席した不登校の児童生徒数などがまとめられております。  これらの調査結果のうち、私は、小中学校の不登校の人数に注目しております。全国の小中学校における不登校の子供は、二〇二一年度は二十四万四千九百四十人で、二〇二〇年度に対して約四万九千人、率にして約二五%増加しており、過去最多を更新しました。五年前の二〇一七年度と比べ約十万人も増えています。今回、愛知県も過去最多を更新し、小学校は五千六百七人で全児童の一・四%、中学校は一万千三百五十二人で全生徒の五・四%が不登校となっており、特に中学校は五年前の約一・五倍と大変憂慮すべき状況になっています。  このように不登校が大幅に増加している新しい背景としては、コロナ禍で子供たちの生活リズムが乱れやすくなっていることや、感染防止のため、学校の教育活動に様々な制限がかけられたことによって、子供たちが学校生活で充実感を得にくくなっていることなどが指摘されております。  こうした中で、県教育委員会は、スクールカウンセラーの配置拡充や、二十四時間対応可能な電話相談窓口の設置など、小中学生の不安や悩みに応えるための教育相談体制の充実に取り組んでこられました。  また、市町村においては、学校に行きたくても行けない小中学生を対象とする教育支援センターが設置され、民間のフリースクールも不登校の小中高校生の居場所になっています。  しかしながら、不登校の子供がこれだけ増加している状況においては、さらなる支援の充実が喫緊の課題であると考えます。特に、不登校の中学生を持つ保護者にとっては、子供が将来社会に出ていかなければならないことを考えると、義務教育の後の高校選びをどうしたらよいかが大きな悩みであると伺っております。  近年、通信制高校に進学する割合が増えている状況を見ても、中学校で不登校を経験した子供が学びやすいタイプの高校は、今後さらにニーズが高まることが考えられます。  そこでお伺いいたします。  中学校までに不登校を経験した子供の教育機会の確保について、県教育委員会としてどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いをいたします。  質問の第三は、活力と魅力あふれる愛知の実現についてであります。  まず、あいち県民の日についてお伺いいたします。  一八七二年(明治五年)十一月二十七日に愛知県が誕生してから今年で百五十年という記念すべき節目の年を迎えました。この百五十年、愛知が我が国屈指の産業力を備えた大都市圏として成長できたのも、先人たちのたゆまぬ努力のたまものであり、そうした先人たちの英知を受け継ぎ、次の世代へとつなげていくことは、今後の愛知の発展にとって大変重要なことであります。  このため、県では、先人たちが築いてきた愛知の歴史や、文化、産業などの魅力を県民の皆様に改めて認識していただけるよう様々な取組を展開され、十一月二十七日には、愛知芸術文化センターにおいて記念式典が開催されました。  一連の事業により、県民の皆様方が愛知の歩みを振り返り、愛知への愛着や誇りを改めてお持ちいただく貴重な機会になったとともに、祝祭感あふれる県政百五十周年となったのではないかと大変評価しているものであります。  さきの九月議会の代表質問において、我が党の藤原幹事長が、この県政百五十周年の取組の成果を一過性のものとせず、末永く継承していくための新たな取組も必要になるのではないかとの質問に対して、知事は、十一月二十七日をあいち県民の日とすることについて検討すると表明され、この十二月議会において、あいち県民の日条例案が提出されたものであります。  条例案では、あいち県民の日を県民の皆様が、地域の自然、歴史、風土、文化、産業等についての理解と関心を深め、愛知への愛着及び県民としての誇りを持つ契機とするとともに、暮らし、教育、労働、経済、環境等が調和した輝く愛知の実現を期する日としており、これからの愛知の発展にとって大変意義深いものであります。  他県の例を調べてみますと、県民の日の創設に当たり、東京都をはじめ十六都道県で条例を制定しております。制定のきっかけは、人口五百万人突破を契機とした千葉県、国体の開催を契機とした福島県、群馬県、山梨県と理由は様々ですが、県政百年などの周年を記念して県民の日を創設した県が多く見られます。  こうした中、愛知県があいち県民の日を創設するに当たり、今回の県政百五十周年を契機とするのはふさわしいものだと考えます。  他県等における県民の日当日は、様々なイベントが開催されたり、県や市町村の公の施設の入場料、観覧料等を無料、割引にしているところもあります。また、子供たちがこういったイベントに家族と共に参加しやすいように、県民の日に小中学校や高等学校等を休業にする都県もあるようであります。さらに、民間企業における施設の入場料等の無料、割引や、県の特産品の販売、県民の日割引セールなど、企業の協賛による様々な取組が行われている地域もあり、広く親しまれていると伺っております。  そこでお伺いいたします。  あいち県民の日条例を制定され、今後どのような取組を進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、観光需要の平準化についてお伺いいたします。  今年十月に開始された全国旅行支援の効果などにより、観光関連産業の景況は回復に向かっていると思われます。十一月十六日付の中日新聞によりますと、大手旅行代理店である日本旅行の十一月の個人向け企画旅行の販売がコロナ前の二〇一九年を上回ったとのことであります。  全国旅行支援の内容を見てみますと、旅行代金、宿泊代金の四〇%割引に加え、飲食店や土産物店などで使えるクーポン券が平日は三千円、休日は千円付与されており、平日の利用を促す設計となっております。  さらに、国においては、全国旅行支援に合わせ、旅行会社や宿泊事業者、運輸事業者などの観光関連事業者と連携して、「平日にもう一泊」キャンペーンを展開し、平日への観光需要の誘導を促しているところであります。  こうした取組を進めている背景には、我が国の観光需要が土日祝日やゴールデンウイーク等の特定の曜日や期間に集中していることがあります。  例えば、公益財団法人日本交通公社の調査によりますと、二〇一九年における国内旅行の出発日は、過半数の五二・八%が土日祝日やゴールデンウイーク、夏休み、年末年始に集中しています。また、観光庁の統計では、同じく二〇一九年における観光客の利用が多い宿泊施設の客室稼働率を見ると、一月の四六・八%に対し、八月は六三・七%と一・四倍近くにもなっております。  このような観光需要の偏在は、繁忙期における宿泊料金の高止まりや、サービスの質の低下、観光地の混雑など、旅行者にとって不満の原因になっているのみでなく、観光地側にとっても、自然環境への悪影響や生活道路の渋滞など、いわゆるオーバーツーリズムといった問題を引き起こしています。こうした問題を解決するためには、祝日などの特定日ではなく、平日に旅行に行っていただく、いわゆる観光需要の平準化を図っていくことが重要となります。  公益財団法人日本生産性本部がまとめたレジャー白書によりますと、二〇二〇年の一年間に国内を観光された方は、二十代から五十代のいわゆる現役世代が過半数の五九・一%を占めております。こうしたことから、観光需要の平準化を図るには、特に現役世代の方々に対し、平日など閑散期に旅行を楽しんでいただくよう誘導することが効果的であると考えております。  そこでお伺いいたします。  繁忙期と閑散期の観光需要の差を縮める、いわゆる観光需要の平準化について、県としてどのように考えておられるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、新しい時代に飛躍する愛知づくりについてであります。  まず、あいち地球温暖化防止戦略二〇三〇の改定についてお伺いいたします。  十一月にエジプトで開催されたCOP27で、国連のグテーレス事務総長は、温室効果ガス排出量の増加と気温上昇が続く現状について、温室効果ガスの排出量は増加し続け、地球の気温は上昇し続けており、気候変動で引き起こされる混乱が不可逆的になる時点に急速に近づいている。我々は、気候変動地獄へ向かう高速道路をアクセルを踏んだまま走っていると強い危機感を示しました。  また、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が二〇二一年八月に公表した第六次評価報告書第一作業部会報告書では、地球温暖化の原因について、人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地がないとしており、今や地球温暖化問題は、全世界が協力して取り組むべき人類共通の喫緊の課題となっております。  我が国は、二〇二〇年十月、当時の菅首相が所信表明演説で二〇五〇年カーボンニュートラル宣言をし、二〇二一年十月には地球温暖化対策計画を改定して、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的で野心的な目標として、二〇三〇年度に温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減することを目指し、さらに五〇%の高みに向けて挑戦を続けていくとの目標を掲げました。  本年五月に国は、産業革命以降の化石燃料中心の経済社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革、すなわち、GX(グリーントランスフォーメーション)を実行すべく、今後十年間で官民合わせて百五十兆円超の脱炭素分野への投資が必要と試算しました。これを実現するために、新たに発行するGX経済移行債で先行して二十兆円規模を調達する方針を示しています。  これらの国の動きに呼応する形で、産業、航空、鉄道、港湾、そして自治体と多くの分野でカーボンニュートラルの実現に向けた取組が始まっています。  本県においては、本年二月にあいち地球温暖化防止戦略二〇三〇の改定に着手し、十一月から改定案のパブリックコメントを行っています。  パブコメ中の改定案を見ますと、矢作川カーボンニュートラルプロジェクトをはじめとした多くの新たな施策の追加や、二〇五〇年のカーボンニュートラルの絵姿をパノラマで分かりやすく表現されており、将来への一筋の光を感じました。ただ、一方で、水素、アンモニアの利活用等により、内燃機関の現実的な利用継続可能性を探っていく必要もあると考えます。  地球温暖化は、私たちの世代だけでなく、子や孫、さらにはその先の世代にも影響を及ぼす大きな問題であり、未来志向の意欲的かつ野心的で現実的な計画の策定を大いに期待するところであります。  そこでお伺いいたします。  あいち地球温暖化防止戦略二〇三〇の改定において、本県の削減目標や地球温暖化対策の取組を抜本的に見直されることと思いますが、日本経済を牽引する産業県愛知として、カーボンニュートラルの実現に向けて、どのような姿勢で臨まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、中小企業のデジタル化、DXに向けた取組についてお伺いいたします。  県内中小企業を取り巻くビジネス環境は、新型コロナウイルス感染症の影響に加えて、資材不足や原材料・原油価格の高騰、それに伴う電力料金の高騰、さらには極端な円安などにより大変厳しい状況にあります。  本県では、当面の危機を克服するため、厳しい資金繰りにある中小企業に対して、いわゆるゼロゼロ融資等の借換えに特化した新型コロナ借換えの創設や、燃料価格の高騰の影響を受けやすく、厳しい状況にある貨物自動車運送事業者や窯業事業者に対して支援金の交付を実施してきました。  こうした県の施策は、厳しい事業環境にある中小企業にとっての一助となったものの、県内の中小企業がより一層の発展を遂げていくためには、自社のポテンシャルを十分に生かしていく必要があります。すなわち、生産性の向上はもとより、新たな付加価値を企業自らが生み出していく必要があり、その効果的なアプローチの一つとしてデジタル化、DXの推進があると考えます。  しかしながら、県内の中小企業のデジタル化の現状等について本県が行ったアンケートによれば、企業の一八%が未着手であるほか、五七%がアナログデータのデジタル化といった取組の初期段階にあるデジタイゼーション、二三%が個別の業務・製造プロセスのデジタル化を実現するデジタライゼーションの段階にあることが分かっております。なお、顧客視点の価値創出やビジネスモデル変革であるDX(デジタルトランスフォーメーション)に至っている企業は全体の二%にすぎません。  こうした結果から、企業によってデジタル技術の導入や活用の度合いが異なり、デジタル化、DXを促進するに当たっては、各社のデジタル化の熟度や目標に応じて、きめ細やかな支援が必要であることが分かります。一方で、デジタル化の進展に伴って、サイバー攻撃のリスクも飛躍的に高まっています。  本年二月、県内において、自動車部品メーカーがサイバー攻撃を受け、自動車の生産体制に大きな影響を受けることとなりました。中小企業は、大企業と比較してサイバーセキュリティーに関する情報や知見が少なく、デジタル化の進展と併せて、サイバーセキュリティーの確保に向けた取組も同時に進めていくよう働きかけていく必要があると考えます。  そこでお伺いいたします。  県として、どのように中小企業のデジタル化、DXを支援していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。
     次に、本県農業の産地生産体制の強化についてお伺いいたします。  本県は、日本一を誇るモノづくり産業が集積する工業県であると同時に、温暖な気候、豊かな水を生かした全国有数の農業県でもあります。本県の農業産出額は、中部地区最大の二千八百九十三億円で全国第八位であり、キャベツ、オオバ、イチジク、リンギク及び名古屋コーチンなど、全国に誇る品目がたくさんあります。  しかしながら、最近の社会情勢を見てみますと、コロナ禍の中、社会経済活動は通常に戻りつつありますが、ロシアによるウクライナ侵攻や円安などの影響もあり、物価が高止まりし、日本経済の大きなリスク要因となっています。この影響は当然本県農業にも及んでおり、燃油価格は昨年の三月から上昇を続け、本年九月のA重油価格は一リットル当たり百九・一円と依然として高い水準で推移しています。また、肥料価格も上昇を続けており、対前年比三八%増となっています。  さらに、本県の販売農家数は、二〇一五年の三万五千戸から二〇二〇年には二万五千戸へと五年間で一万戸も減少し、基幹的農業従事者に占める六十五歳以上の者の割合についても六三・八%から六五・八%に二ポイント上昇するなど、農業分野における担い手不足と高齢化が一層進んでいます。そのほかにも、本県には築三十年を超えた園芸用ハウスなどが多くあり、老朽化が進んでいるという課題もあります。  また、畜産では、生産コストの約六割を占める飼料価格が昨年から急騰しています。一例を挙げれば、乾牧草の輸入価格は、昨年一月の一トン当たり三万七千円から本年八月には六万円に上がるなど、畜産農家の経営を圧迫しており、本県産地の弱体化が危惧される状況であります。  このような中、県では、令和四年九月定例議会において、肥料価格高騰対策支援金及び粗飼料価格高騰対策支援金を、また、施設園芸用燃油価格高騰対策支援金及び配合飼料価格高騰対策支援金については、昨年度から引き続き措置いたしました。  また、これまでにも国の産地パワーアップ事業を活用できない産地を支援するため、県単独の補助事業であるあいち型産地パワーアップ事業を創設して、担い手が使用する農業ハウスや農業機械、設備の導入を支援してきました。  こうした県の取組について、農業者、農業団体からは、経営安定に資する取組で高く評価しており、大変ありがたいとの声もいただいております。しかしながら、私の地元でも、物価高騰等の長期化の懸念も相まって、産地の維持、発展を不安視する声が聞かれます。  そこでお伺いいたします。  本県農業を持続的に発展させるために、どのように産地の生産体制を強化していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、港湾の整備推進と振興策についてお伺いいたします。  県内のモノづくり産業の多くは、世界市場での競争下において、原材料や部品の調達から生産、在庫管理、販売や配送を国内外問わず適地で行うグローバルサプライチェーンを構築し、輸送コストの削減、リードタイムの短縮、災害時のリスク軽減、環境負荷の低減を図るなど、国際競争力の強化に取り組んでおります。  こうした中で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う世界的な経済活動の落ち込みにより、世界の物流が混乱し、県内の港湾における物流もその影響を受け、私の地元の三河港でも、自動車をはじめとする二〇二一年の取扱貨物量がコロナ禍前の二〇一八年と比べて約一五%減少と大きく低下しております。  このような物流の混乱による影響が残る中でも、本県のモノづくり産業が日本の発展をリードしていくためには、従前のコスト、スピード、サービスといった視点に加え、世界的な脱炭素化への動きや循環型社会の実現にも対応し、本県港湾の国際競争力をより一層高めていく必要があります。  中でも、三河港は、臨海部に多くの自動車関連企業が立地し、生産、輸出、輸入の拠点が集積しており、自動車貿易では、輸出入ともに世界レベルでトップクラスの取扱いを誇る国際的な自動車ハブ港として重要な役割を担っております。  また、三河港の背後圏においては、名豊道路が二〇二四年度に開通予定であるとともに、東名・新東名高速道路、三遠南信自動車道と連絡する浜松湖西豊橋道路の計画が進むなど、物流を支える広域道路ネットワークの整備が着実に進められており、将来に向けての高いポテンシャルを有しております。  三河港が世界につながる国際拠点としてこのポテンシャルを発揮するためには、さらなる物流の効率化や安定性、定時性の確保など、港本体の将来を見据えた整備による物流機能の強化を図るとともに、あわせて、貨物の集貨促進をはじめとする振興策にもしっかりと取り組んでいくことが極めて重要であると考えます。  そこでお伺いいたします。  本県の成長を支える三河港において、物流機能の強化に向けた整備推進と集貨促進などの振興策について、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の所見をお伺いいたします。  以上、自由民主党愛知議員団を代表して、県政各般にわたる様々な課題について質問をしてまいりました。明快な御答弁を期待いたしまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔知事大村秀章君登壇〕 4: ◯知事大村秀章君) 皆さん、おはようございます。  自由民主党愛知議員団丹羽洋章政調会長の質問にお答えをいたします。  そして、答弁に先立ちまして、まず、御報告をさせていただきます。  本日、豊橋市の採卵鶏農場におきまして発生が確認されました高病原性鳥インフルエンザにつきまして、御報告をさせていただきたいというふうに思っております。  昨日四日、この採卵鶏農場から飼養する鶏の死亡が増加した旨、県の東部家畜保健衛生所に通報があり、早速、県の家畜保健衛生所の家畜防疫が農場に立入検査をし、午後三時に簡易検査を実施、陽性と判明をいたしました。  その後、県の中央家畜保健衛生所に検体を搬入いたしました。この鳥インフルエンザの遺伝子もウイルスですからPCR検査を行い、本日未明に陽性が確定ということになりまして、その後、国に随時報告をさせていただいて、本日午前七時半に農水省におきまして、高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜と判定をされました。  その後、本日午前九時に私ども愛知県の特定家畜伝染病緊急対策会議を、先ほどこの本会議開会前に、私がトップでありますので招集をいたしまして、直ちに疑似患畜ということを確定したことを踏まえまして、殺処分、埋却といった防疫措置を行うということを決定させていただきました。  今回の発生農場は、飼養鶏が約三十一万羽というふうに大規模になっております。一週間ほどかかるかと思いますが、県の職員、まず農水局から百二十人派遣をし、その作業にかかります。そして、あわせまして、十万羽を超えます大規模なものでありますので、自衛隊に災害派遣の要請をさせていただきまして、自衛隊からも五十人規模で現地に急行し、県、自衛隊連携をしてこの防疫措置に取り組むと、本日から早速取り組むということにさせていただきます。  なお、この農場から半径三キロ以内の対象の十四農場約百十五万羽は移動制限がかかり、十キロ以内の二十六農場八十七万羽も搬出制限がかかりますので、まずはしっかりと防疫措置をやり、そして、これは広がらないように全力を挙げて取り組んでまいります。そして、囲むように三ポイントで消毒ポイントを設けますので、その養鶏場に出入りする車両については全部消毒をし、これを封じ込めていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  なお、そういうことでありますので、今回の鳥インフルエンザ関係のものは流通いたしません。したがいまして、今現在流通している県産鶏肉、卵につきましては安心・安全でありまして、全く心配は要りません。県民、消費者の皆様には御安心して消費をしていただきますようにお願いを申し上げたいと思いますし、風評被害にならないように、私ども、その旨をしっかりとPRしていきたいと、周知啓発、PRをしていきたいと思います。  また、こうした養鶏農家、影響を受けますこの養鶏農家はもちろんですが、関係の養鶏農家に対しましては、しっかりと予算措置も含めて講じてまいりたい、そして、この関係農家に寄り添った対応をしていきたいというふうに思っておりますので、県議会の皆様にも何とぞまた御理解、御支援、御協力をお願い申し上げます。  まずは、本日発生、確認されました鳥インフルエンザについて申し上げました。  なお、この鳥インフルエンザが発生いたしました二〇一一年一月、二月に東三河で二例出て以来ということで、約十二年ぶりということでございます。そして、豚熱も二〇一九年二月から十二月までということでありましたので、こうした防疫措置も三年ぶりということでございます。  今年は、全国的に、これで鳥インフルエンザ二十五例目ということで、昨年の倍以上出ているということで、大変これは警戒しなければならない状況でございます。この愛知県内全域に養鶏農場がありまして、養鶏戸数でいえば全国一位でありますので、引き続き、最大限の警戒をして対応していきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、丹羽洋章政調会長の質問に順次お答えをさせていただきます。  初めに、県税収入見込みについてお尋ねでございます。  まず、今年度の県税収入でございます。  主要税目であります法人二税につきましては、三月期決算法人の本年三月期の業績が堅調でありましたことから、当初の見込みを上回る水準で推移しております。今後、中間申告の状況などを見極める必要はございますが、当初予算額を確保した上で、さらにある程度の上積みが期待できるのではないかと考えております。  続きまして、来年度の県税収入見込みでございます。  来年度の法人二税収入に影響を及ぼします上場企業の二〇二三年三月期通期の連結経常利益は、円安による利益の押し上げ効果はあるものの、長期化する原材料価格の高騰による影響などから、本県の主要産業である自動車関連産業では二%の減益見込みとなっておりまして、製造業全体でも二%の増益見込みにとどまっております。  こうしたことから、今後、主要企業に対する聞き取り調査を行うとともに、経済情勢なども踏まえまして、来年度の県税収入見込みを固めてまいりたいと考えております。  続きまして、今後の財政運営についてであります。  国の経済対策につきましては、本県としても、防災・減災、国土強靱化の推進など、国の補正予算に呼応し、特に早期に対応する必要のあるものにつきましては、本議会中に補正予算案を追加提出するなど、しっかりと対応してまいります。  来年度の予算編成におきましては、子育てや医療、介護などの経費が増加することから、依然として厳しい財政状況が続くものと認識しております。  本年八月に総務省が公表いたしました来年度の地方財政収支の見通しでは、地方一般財源総額は前年度と同水準にとどまっておりますが、社会保障関係費の増加を的確に財政需要に反映し、地方の安定的な財政運営に必要となる地方一般財源総額の確実な充実が必要であります。本年七月に引き続き、十一月にも全国知事会議でこの旨を訴えるとともに、私から直接国に対して要請してきており、今後、国の予算編成や地方財政対策の動向を注視してまいります。  また、来年度に向けましては、まずは本年度取り崩すことといたしました基金の残高を年度内にできる限り回復させることが必要であり、可能な限り残高確保を図ってまいります。  今後も引き続き、歳入歳出全般にわたる行財政改革にしっかりと取り組み、健全で持続可能な財政基盤の確立を目指してまいります。  次に、あいち行革プラン二〇二〇後半期の取組の策定についてであります。  これまで現行のプランに基づきまして、効果的、効率的な行財政運営を実現するための取組を着実に進めてまいりました。例えば、ICTの活用による業務の合理化、効率化を図るとともに、PFI手法を用いた新体育館、STATION Aiの整備などにおきましては、民間の資金やノウハウを積極的に活用しております。  一方、プラン策定後に発生した新型コロナウイルス感染症への対応を通じ浮き彫りとなった国と地方の関係、規制緩和、官民連携などの課題、DXの推進、さらには、社会情勢の急速な変化への柔軟な対応の必要性を認識したところであります。  このような認識の下、行財政改革を一層強力に推進していくための司令塔であるプロジェクトチーム、チームあいちによりこれまでの取組の検証を行い、後半期の取組の方向性や具体的な内容などについて検討を重ねてまいりました。  その結果、プラン後半期におきましては、ウイズコロナ、アフターコロナへの対応、DX推進の取組、新規施策、環境変化等への対応の三つの視点を切り口に、取組内容の充実はもとより、大幅な追加も行ってまいります。  具体的には、新型コロナウイルス感染症対策での経験を踏まえた緊急時の迅速、的確な対応や、市町村との連携強化、ICTデジタル技術を活用したキャッシュレス決済や、電子契約の導入による県民の利便性の向上と業務の効率化、また、効果的な民間活力の一層の活用や、官民のさらなる連携促進などに積極的に取り組んでまいります。  こうした考え方に基づいて、県議会の皆様方の御理解も賜りながら、あいち行革プラン二〇二〇後半期の取組を年内に策定してまいります。その上で、全庁挙げて行財政改革の取組を一層積極的に推進してまいります。  次は、ギャンブル等依存症対策の推進についてのお尋ねであります。  ギャンブル等依存症は誰もがなり得る可能性がありますが、早期に相談や治療につなげることにより症状の回復が期待できる疾病です。  本県では、愛知県ギャンブル等依存症対策推進計画に基づき、ギャンブル等依存症の発症、進行及び再発の各段階に応じた予防や回復のための様々な対策を実施しております。  今年度は、この計画の改定年度に当たり、本県における依存症対策の効果に関し評価を進めるとともに、ギャンブル等依存症に関わる県内相談支援機関等に対し、ギャンブル等依存症対策の調査を初めて実施いたしました。  この調査の結果、新型コロナウイルス感染症流行下において、気軽に参加できるインターネットを通じた公営ギャンブルへの依存が増えていることを危惧する御意見が多くありました。  また、ギャンブル等依存症対策のさらなる推進について、普及啓発の着実な実施とともに、相談支援機関、医療機関及び自助グループなどの関係機関や関係団体同士における一層の連携強化が必要との御意見もいただきました。  こうした御意見を踏まえ、次期計画の推進に当たっては、特にギャンブル等依存症の正しい知識に関して、SNS等も活用した効果的な普及啓発を図るとともに、精神保健福祉センター主催の関係機関連絡会議に加え、新たに市町村や相談支援機関等職員に対する関連研修の実施により一層の連携強化を図ってまいります。  引き続き、計画改定の検討を進めるとともに、各種施策を積極的に実施し、ギャンブル等依存症の方と御家族が日常生活、社会生活を円滑に送ることができるようにしっかりと取り組んでまいります。  続いて、明治用水頭首工の漏水事故への対応についてであります。  漏水事故発生から現在に至るまで、現場では建設業の方々が昼夜を問わず応急対策に取り組まれ、国、県、市町、土地改良区が一丸となって対応に当たってまいりました。また、取水が制限される中、農家や受水事業者の方々の御理解、御協力もあり、取水量がピークとなる夏場を乗り切ることができました。  この間、県としては、私をトップとする対策本部を立ち上げ、市町等との連携や情報共有を迅速かつ緊密に行うとともに、明治用水土地改良区に現地詰所を設置し、ブロック割り通水が円滑に行われるよう支援してまいりました。  さらに、漏水事故にかかる費用負担について、私自らも国へ足を運び強く要請してきた結果、本復旧工事は国直轄の土地改良事業により実施されることになり、その上、国の負担割合の引上げが認められ、農家や市町の費用負担がゼロとなっております。  今後に向けては、国の来年度予算編成に対する政策提案において、本復旧工事を確実かつ速やかに進め、早期に完了することなどを要請いたしました。  また、頭首工をはじめとする社会インフラの老朽化対策については、愛知県だけの問題ではないことから、中部圏知事会の会長として、岸田首相に対し緊急提言も行っております。  頭首工の本復旧工事は複数年にわたることから、今後も引き続き地域の声をしっかりと踏まえ、国、県、地元が連携して取り組むとともに、県としても工事の影響が最小限となるよう、状況に応じて迅速かつ的確に対応してまいります。  次は、あいち県民の日についてのお尋ねであります。  県政百五十周年を契機に、あいち県民の日を創設することで、県民の皆様一人一人が愛知の歩みを振り返りつつ、愛知の魅力を再発見するとともに、次なる時代に向け新たな創造の基盤を積み重ねることで、県民の皆様が共に支え合い、希望と誇りを持つことができる愛知の実現を目指すため、今議会にあいち県民の日条例案を提出いたしました。  この新たに創設するあいち県民の日を県民の皆様に広く知っていただくために、まずは広報啓発に取り組むとともに、あいち県民の日を含めた十一月二十一日から十一月二十七日をあいちウィークとし、様々なイベントを開催することや、広く一般の方が利用できる県の施設を無料、割引とすることを検討してまいります。  また、市町村におきましても、あいちウィークの期間中において、あいち県民の日にふさわしい事業や取組を実施していただけるよう依頼するとともに、民間企業等においても様々な取組を実施していただけるよう働きかけを行ってまいりたいと考えております。  さらには、子供たちがあいち県民の日をきっかけに、愛知への愛着や誇りを持つことができるよう、あいちウィークの期間中のいずれかにおいて、県立の高等学校等を休業とすることを教育委員会と調整してまいりたいと考えております。  このように、新たに条例を制定して様々な取組を行うことで、将来にわたり愛知のさらなる発展につなげるため、オール愛知であいち県民の日とあいちウィークが盛り上がるようしっかりと準備を進めてまいります。  続いて、観光需要の平準化についてであります。  丹羽議員御指摘のように、観光需要の平準化は、旅行者にとっては観光の満足度を高め、観光関連事業者においてはおもてなしなどのサービス向上につながるものであり、観光振興にとって重要な課題であると認識しております。  日本で土日祝日や夏休みなど特定の曜日や期間に観光需要が集中しているのは、諸外国に比べ祝日は多くある一方で、休みを取りたいときに休むことができる有給休暇の取得率が低いことや、企業の休みの多くが祝日等の特定の日に偏っていることなどが原因であると考えております。  こうした日本の休みの在り方を変えていくためには、有給休暇の取得促進や、企業における柔軟な休日の設定、今まで以上に家族と子供が一緒に休暇を楽しむことができる環境づくりなどが重要であります。  このような中、先月、私からの提案により、全国知事会に休み方改革プロジェクトチームが設置されたところであります。このプロジェクトチームでは、私がリーダーとして国民の休み方改革について議論を進め、国民運動として展開していきたいと考えております。  本県におきましても、休み方改革につながる愛知発の具体的な取組について、速やかに検討を進めてまいります。観光需要の平準化については、こうした取組を進めていく中で前進させてまいりたいと考えております。  次は、あいち地球温暖化防止戦略二〇三〇の改定についてのお尋ねであります。  本県では、一九九四年に地球温暖化対策を体系化したあいちエコプラン21を、まさに全国に先駆けて策定して以降、おおむね五年ごとに計画の改定を重ね、現在のあいち地球温暖化防止戦略二〇三〇に至っておりますが、その間、本県独自の特色ある取組を進めてまいりました。  その結果、住宅用太陽光発電の導入要領や、EV、PHV、FCVの普及台数、水素ステーションの設置箇所数で全国第一位であるなど、幾つもの取組で全国トップクラスの実績を挙げております。  しかしながら、地球温暖化に伴う気候変動は深刻さを増しており、脱炭素に向けた取組強化は一刻の猶予もない状況となっております。  このため、本県の戦略を改定し、国と歩調を合わせる形で二〇三〇年度の温室効果ガス削減目標を二〇一三年度比で現行の二六%減から四六%減に大幅に引き上げ、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを目指すことといたしました。  本県は日本一のモノづくり県であるため、温室効果ガスの排出量は全国最多となっておりまして、本県にとって四六%の削減は大変高い目標ではありますが、果敢に挑戦してまいりたいと考えております。  今回改定する戦略では、これまで進めてきた徹底した省エネルギーと創エネルギーの導入拡大を加速するとともに、愛知発の脱炭素イノベーションの推進や水素利用のさらなる拡大等により目標の実現を目指すこととしております。  そして、オール県庁で県の率先行動をはじめ、各局が関係する様々な取組のレベルとスケールをアップするため、佐々木副知事をトップに全ての副知事が参画する庁内連絡会議を設置いたします。  今後、新しい戦略を基に、地域の総力を挙げて、産業、業務、家庭、運輸など、あらゆる分野の脱炭素化を強力に推進し、カーボンニュートラルあいちの実現を目指してまいります。  続いて、中小企業のデジタル化、DXに向けた取組についてであります。  県内中小企業が厳しい経営環境を乗り越え、今後の成長につなげていくためには、デジタル化による生産性向上や新たな付加価値創出を実現するDXへの取組を県が支援していくことが重要であります。  しかしながら、中小企業のデジタル化の進捗状況は様々であり、そのニーズに的確に対応したきめ細やかな施策が必要であります。  このため、デジタル化に未着手または初期段階の企業に対しては、経営者が理解を深めるためのセミナーや人材育成支援、さらには、デジタル技術活用相談窓口を通じた伴走支援を行っております。  また、初期段階を経てさらなるデジタル化に挑戦する中小企業へは、デジタル技術を提供する企業とマッチングし、経営課題の解決を行うデジタル技術導入モデル実証事業を実施しているところです。そして、今年度創設したデジタル技術導入補助金を活用し、これまで生み出されたモデルケースを広く横展開することで、デジタル化の成功事例を多数生み出す好循環を創出してまいります。  さらには、DXによる新たな付加価値創出に挑戦する企業に対し、AIやXRといったデジタル技術により革新的なビジネスモデルの構築を目指すワーキンググループ活動を実施してまいります。  これらの取組と併せて、本県の自動車産業が大きな影響を受けたサイバー攻撃に対しても万全の備えができるよう、有識者によるセミナーの開催や相談窓口における支援を一層強化してまいります。  このようなフルラインナップの取組をあいち産業DX推進コンソーシアムにおいてオール愛知で実現することで、将来を見据えた県内中小企業のさらなる成長を積極的に促進してまいります。  次に、本県農業の産地生産体制の強化についてであります。
     本県では、産地ごとに生産者、農業団体及び行政が一体となって産地の十年後を展望し、五年間の行動計画を取りまとめた産地戦略を策定しております。  県としては、この産地戦略の策定や戦略に基づく取組に対して、ソフト面では、普及指導員による技術指導や中小企業診断士など専門家の派遣による経営相談などを行っております。また、ハード面では、国庫補助事業を活用した産地パワーアップ事業や、県単独補助事業のあいち型産地パワーアップ事業などにより、高性能機械や施設の導入等に対して支援を行い、生産体制の強化を図っているところであります。  しかし、最近の担い手不足や高齢化、資材価格や輸入飼料価格の高騰といった課題に対応するためには、省力化や省人化、さらには、ICT等の活用によるデータ管理など、スマート農業技術を積極的に導入するとともに、水田等を活用した飼料作物の生産拡大が急務であります。  こうしたことから、県としては、緊急的な課題に適切に対応しつつ、情勢の変化に応じて産地戦略の見直しを促すとともに、戦略の実現に必要な生産基盤の整備について、国の支援策の活用や、あいち型産地パワーアップ事業のさらなる充実を検討してまいります。  今後とも、ソフトとハードの両面から産地を支援し、生産体制の強化に努めてまいります。  私からの最後の答弁となりますが、港湾の整備推進と振興策についてお答えをいたします。  サプライチェーンにおける世界との結節点である港湾において、輸送の効率化によるコスト削減を図るなど、物流機能を強化していくことは、本県が日本経済を牽引していくためにも必要不可欠な取組であります。  こうした中で、三河港では、神野地区や蒲郡地区において、大量一括輸送を可能にする大型船舶に対応した岸壁の延伸を完了しており、引き続き岸壁背後の埠頭整備を進めてまいります。さらに、田原地区では、新たな岸壁の改良整備を国庫補助事業で要望、要請をいたしております。  また、港湾の振興につきましては、新規航路の開設に向けたポートセールスや、三河港の利用機会増加のため、荷主と物流関係企業が情報交換を行う場であるポートセミナーなどの取組を地元と一体となって行ってまいりました。  今後とも、三河港のさらなる利用促進を図るため、より有効な手法について幅広く検討してまいります。あわせて、港の競争力強化のため、新規のコンテナ貨物定期航路が開設された場合に、現在、入港料などを六か月間全額免除しておりますが、一層効果的な振興策となるよう制度改正を検討してまいります。  三河港では、港湾計画改定作業を進めており、今後も豊橋市をはじめとする地元の市や経済界とも連携し、整備や振興にしっかりと取り組むとともに、脱炭素化に向けたカーボンニュートラルポートの形成を推進し、国内外の企業がより一層利用しやすい港を目指してまいります。  以上、御答弁申し上げました。 5: ◯警察本部長鎌田徹郎君) 初めに、サイバー犯罪の情勢についてお答えいたします。  スマートフォン等の普及に伴い、インターネットの利用が拡大したことを背景に、サイバー犯罪に関する県警察への相談件数は増加傾向にあり、本年は十月末現在で一万千六百八十九件を受理し、過去最多となっております。  相談の主な内容といたしましては、商品を送らずに代金をだまし取るインターネットショッピング詐欺や、偽サイトに誘導してクレジットカード情報を盗み取るフィッシングのほか、事業者のシステムを使用不能にして、復元と引換えに身代金を要求するランサムウエアといったものが挙げられるところでございます。  次に、サイバー犯罪の取締り及び未然防止に向けた取組についてお答えいたします。  取締りにつきましては、フィッシングサイトに利用者を誘導してクレジットカード情報を盗み取り、不正に利用した詐欺グループを摘発した事件をはじめ、十月末時点で昨年同期より二十四件多い六百六十三件を検挙しております。  未然防止に向けた取組につきましては、県民の方々に対し、偽サイトやフィッシングなどの新たな手口や具体的な対策について、自治会等の各種会合や学校における防犯講話のほか、県警察のホームページやツイッター、ユーチューブなどのSNSを活用し、積極的な情報発信をしているところであります。  また、事業者の情報セキュリティー対策の強化が図られるよう、愛知県商工会議所連合会等と連携し、通信機器への侵入防止対策について情報を発信しているほか、セキュリティー対策の状況を事業者ごとに確認するサイバー防犯診断などを実施しております。  今後とも、取締りと未然防止に向けた取組を推進し、サイバー空間の安心・安全の確保に努めてまいります。  以上でございます。 6: ◯教育長飯田靖君) 中学校までに不登校を経験した子供の教育機会の確保についてお答えをいたします。  近年の小中学校における不登校の増加、とりわけ中学校における大幅な増加には大変危機感を持っております。今年度、多様な生徒のニーズに応える学校づくりを目指し、県立学校の魅力化、特色化を検討する会議におきまして、不登校を経験した子供たちにとって学びやすい高校の在り方を検討のテーマの一つとして議論を重ねてまいりました。  その中で、中学校までに不登校を経験した子供たちが通信制高校や昼間の定時制高校、単位制の全日制高校から一人一人の状況に合った学校を身近な地域で選べるようにできるとよいといった声や、本人が興味や関心、進路希望に基づいて授業を選択し、自分のペースで学べる環境を整備することが必要だといった声が学校現場からございました。  こうした声を踏まえまして、二〇二五年四月から地域バランスに配慮をしつつ、通信制のサテライト校と小規模な昼間定時制を、施設に余裕のある全日制高校に一緒に設置をすることといたしました。  まずは、海部地区の佐屋高校、知多地区の武豊高校、西三河地区の豊野高校、東三河地区の御津あおば高校の四校で実施をいたします。  また、二〇二六年四月には、授業時間数や始業時間などを柔軟に設定のできる不登校特例校の制度を活用して、中学から高校卒業までゆとりを持って学んでいける中高一貫教育を日進高校に、公立では全国初となりますが、モデル的に導入をいたします。  こうした新たな取組へのチャレンジをスタートラインに、学校に行きづらい子供たちの不安を取り除き、自分のペースで将来に向かって前に進んでいける多様な学びの場を創出し、誰一人取り残さない一人一人の個性と能力を思う存分に伸ばせる学びの実現を目指してまいります。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 7: ◯四十番(南部文宏君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 8: ◯議長須崎かん君) 南部文宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 9: ◯議長須崎かん君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時二十分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 10: ◯議長須崎かん君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  黒田太郎議員。     〔十九番黒田太郎君登壇〕(拍手) 11: ◯十九番(黒田太郎君) 新政あいち県議団政策調査会長の黒田太郎です。  新政あいち県議団を代表して、順次質問をさせていただきます。  初めに、新型コロナウイルス感染症に対応する医療提供体制についてお伺いいたします。  皆さん、新型コロナウイルス感染症について、第一波から第七波までの新規陽性者数の推移を思い浮かべてください。第一波以降、新規陽性者数の山は徐々に高くなり、第七波が最も高い山になったと思います。イメージですけれども、第一波、第二波、第三、第四と来て、五、六、七と、こういった感じではないでしょうか。  私たちは、これまでワクチン接種を繰り返し、マスクを着用し続けましたが、波は高くなっていきました。そして、飲食店に対しては、新型コロナウイルス感染症が蔓延した当初から感染源であると言われ続け、新規陽性者数が増加するたびに営業規制がかけられました。しかし、一番高い第七波においては、営業規制がかけられないまま、大きな波は次第に引いていき、今はまた新しい波が寄せています。  私は、これまでの対応が間違っていたと申し上げるつもりはございません。むしろ、社会が未知の敵と戦うときに、正しいと思われる施策を国主導で講じていくのは当然のことだと思います。しかし、それで終わらせては社会の発展につながりません。これまでの対応や事態を検証し、科学的知見を蓄積して後世に残すことが非常に重要です。  このことは、私たち新政あいち県議団が十月十三日に知事にお渡しした提言書の中で最重点要望事項として取り上げておりますので、この場で改めて申し上げさせていただきます。  さて、このような波を経る中で、本県の医療提供体制については、二〇二〇年二月当初は最大確保病床が七十二床でありましたが、一年後の二〇二一年二月には千二百十五床、第五波の二〇二一年九月には千七百二十二床、そして、二〇二二年八月には二千五百四十床と、感染の拡大状況に応じて整備されてきました。  また、発熱外来である診療・検査医療機関についても拡充されております。しかしながら、本年六月二十一日から始まった第七波では、感染力が非常に強いオミクロン株等により、八月十七日に新規陽性者数が過去最多、一万八千九百八十五人となるなど、これまでにない規模で感染が拡大し、医療現場では、発熱患者が診療・検査医療機関に集中し、医療体制が逼迫する状況となりました。  そのため、オミクロン株の特性である重症化率が低く、軽症となる場合が多いことを踏まえ、幅広い医療機関でコロナ患者を診ることが必要になると考えます。  そこでお伺いします。  この冬には、新型コロナウイルス感染症の再拡大や季節性インフルエンザの同時流行など、第七波を上回る感染拡大が生じると懸念されていますが、県としては、患者の受入れができなくなるなどの医療機関の逼迫を防ぐため、どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、安全・安心の確保についてであります。  まず、土砂災害対策の推進についてお伺いします。  近年、全国各地で様々な自然災害が発生しています。二〇一八年の西日本豪雨では、広島県をはじめとして三十二の道府県で約二千六百件の土砂災害が発生し、百十九名もの貴い命が失われ、平成以降最大の被害となりました。  今年も十月末時点で、全国で七百五十八件の土砂災害が発生し、二名の犠牲者が出るなど、多くの被害が発生しております。  今年九月に発生した台風十五号においては、お隣の静岡県では、線状降水帯による大雨で百六十三件の土砂災害が発生し、一名の方が亡くなり、三十五の家屋が被害を受けました。また、流木が取水口を塞ぐことによる約七万戸の断水や、鉄塔施設の倒壊による約十二万戸の停電が生じるなど、人命や暮らしに多大な影響が出たことは記憶に新しいところであります。  このように土砂災害の状況を見聞きしたとき、大規模災害はもとより、一たび台風が近海を通過しただけでも大きな被害が生じることもあり、土砂災害対策をしっかりと進める必要があると考えます。  国土交通省によりますと、長野県岡谷市の小田井沢川では、二〇〇六年七月に土石流により七名の方が亡くなられるなどして、これらの被害を受け、四基の砂防堰堤整備がされました。この地区では、二〇二一年八月に再び土石流が発生しましたが、整備した砂防堰堤が土石流を受け止め、被害を防いだとのことです。改めて土砂災害防止施設の必要性を感じたところであります。  また、広島県広島市では、二〇二一年八月に西日本豪雨と同規模の大雨により土砂災害が発生したにもかかわらず、事前に住民が避難して人的被害を免れた事例が多く報告されております。このように被害を軽減するためには、防災意識の向上を図っていくことも大切ではないかと考えております。  今年九月の台風十五号では、本県でも初めてとなる顕著な大雨に関する情報が発表され、線状降水帯による大雨が発生しました。幸い本県では犠牲者は出ておりませんが、大規模な土砂災害はいつ起こってもおかしくない状況にあります。  そこでお伺いします。  人命を保護し、土砂災害による被害を最小限に食い止めるため、県ではどのような取組を進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、交通事故防止対策の推進についてお伺いします。  昨日現在の交通事故死者数は百二十五人で、前年に比べプラス十八人と大幅に増加しており、全国順位は大阪府に次いでワースト二位と極めて憂慮すべき状況となっています。  本年の交通死亡事故の特徴を見ますと、十月末現在で、当事者別では歩行者の死者が四十五人と、前年同時期に比べプラス十六人と大きく増加しており、年齢別では高齢者の死者の割合が全体の四割以上を占め、依然として他の年齢層よりも高く、また、幼い子供が犠牲になる死亡事故も発生しています。  悲惨な交通事故をなくしていくためには、こうした交通弱者の保護が重要であり、特に地域住民の生活に密着し、通学路に指定される例も多い生活道路においては、歩行者が安全に通行できる環境の整備が必要となります。  この点について、第十一次愛知県交通安全計画には、生活道路等における人優先の安全・安心な歩行空間の整備が盛り込まれており、幹線道路へ自動車交通を転換させることによる徹底した通過交通の排除や、車両速度の抑制等のゾーン対策に取り組み、高齢者、障害者、子供などが安心して通行できる道路空間の確保を図ると記載されております。  これまで生活道路の安全対策として、警察は、歩行者等の安全な通行を確保するため、最高速度三十キロの区域規制等を実施するゾーン30を推進し、昨年度末現在で二百六十二か所に整備をしたと伺っております。  ちなみに、なぜ三十キロなのかというと、自動車が歩行者と衝突したときの速度が三十キロを超えると歩行者の致死率が急上昇するからであり、三十キロは生死を分ける境界線とも考えられます。  一方、道路管理者は、生活道路における対策として、道路上に膨らみを設けるハンプや、道路の幅をラバーポールなどで狭くする狭さくといった物理的デバイスの設置等を推進することにより、通過車両の速度やエリア内への進入の抑制を図ってきたものと承知しております。  現在進めているゾーン30プラスは、生活道路において、警察の行う最高速度三十キロの区域規制と、道路管理者の行う物理的デバイスを適切に組み合わせることで大きな相乗効果が期待されます。  ゾーン30プラスが整備されていけば、より多くの悲惨な交通事故が防止でき、まさに命を守る施策になると思われますが、残念ながら本年十一月末までに愛知県内での導入事例はないと承知しています。  そこでお伺いします。  ゾーン30プラスを今後どのように進めていかれるのか、警察本部長の御所見をお伺いします。  次に、持続的な本県産業の振興についてであります。  まず、自動車産業に対する支援についてお伺いします。  自動車産業は、製造品出荷額等が約六十兆円と全製造業の一八・六%を占め、また、関連産業も含めると就業人口が約五百五十万人に上るなど、言うまでもなく我が国の産業、経済を牽引しています。特に本県の自動車産業は、製造品出荷額ベースで全国四二・六%のシェアを占めており、我が国の成長エンジンとしての役割を果たしてきました。  一方で、自動車産業を取り巻く環境は、CASE、MaaSの進展やカーボンニュートラルの高まりにより、百年に一度の大変革期を迎えています。  我が国でも、二〇二〇年十二月に出された二〇五〇年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略の中で、二〇三五年までに乗用車新車販売でハイブリッドを含む電動車一〇〇%を実現することが明記されました。  さらに今後、人を運転から解放する自動運転、インターネットとつながるコネクテッド化、所有から使用に変わるシェアリング化が進展するにつれて、自動車産業に構造変化をもたらすだけではなく、生活、社会をも大きく変えると予想されます。  こうした変化は、新たな価値を創出し、環境や高齢化、労働力不足といった社会課題の解決につなげる新たなビジネスの好機であり、こうしたチャンスを捉え、イノベーションを興していくことが必要です。  CASEのうち、自動運転の実現に向けては世界中で様々な取組が行われています。自動車関連企業のみならず、IT企業も加わり、その開発にしのぎを削っている状況にあります。  本県においても、自動運転の社会実装を目指し、全国に先駆けた実証実験が進められているところです。今後はこうした取組を推し進め、より利便性が高く、安全・安心な自動運転の社会実装の在り方についても検討を進めていく必要があります。  一方で、既存の自動車部品製造企業にとっては、事業戦略の見直しが必要となることも想定されます。電動化が進み、動力がエンジンからモーターに替わると、部品点数は約三万点から一万点ほど減少すると言われています。自動車産業が従来の車から次世代自動車に進化を遂げる機会を捉えて、自動車関連企業は、自社の強みを深化させることに加え、新たな価値を生む事業を探索していく必要があると考えます。  そこでお伺いします。  自動車産業が激動の時代を迎える中、自動車メーカーやサプライヤーに対して総合的、多面的な支援が必要と考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、豊かな水産資源を育む海づくりについてお伺いします。  伊勢湾、三河湾は、木曽川、矢作川、豊川などの大河川からの豊かな栄養により多くの生物が育まれ、さらに、干潟や浅場が発達して魚の産卵や成育の場となっていることから、古くから豊かな漁場として多種多様で豊富な海の恵みをもたらしてきました。  現在でも、アサリやガザミ、シラスなどは全国有数の産地で、ノリの養殖も盛んに行われています。特にアサリは、十八年連続で全国一位の生産量を誇っております。  しかし、アサリの生産量は、二〇一四年以降年々減少しており、最盛期の約二万トンから二〇二一年にはその一割程度にまで減少しています。また、ノリの養殖では、近年の栄養不足による色落ちなどが影響して、二〇二一年の収穫量は八千トンと五年前の約六割となっています。  漁業者からは、最近、海が痩せてきており、アサリが育たない、シャコやアナゴが獲れなくなったなどの声が出ていると聞いております。  近年では、伊勢湾、三河湾の水質改善を図る取組により、陸から海に流入する窒素やリンの量が減少したため、海ではプランクトンの発生に必要な栄養が不足し、魚介類が成長するのに必要な餌が少なくなるなど、生物を育む力、いわゆる漁場の生産力が低下していると指摘されています。  また、沿岸域の開発に伴う埋立てにより、多くの魚介類の生息場となる干潟や浅場がなくなってしまったことも魚介類が減少した原因と言われています。  今後、本県水産業が持続的に発展していくために、また、県民の皆様に豊かな海の恵みを届けていくためには、漁場の生産力の強化や水産資源の増大を図ることが極めて重要な課題であると考えます。  県では、これらの課題に加え、就業者の高齢化や担い手不足など、水産業を取り巻く様々な厳しい状況に対処するため、昨年三月に豊かな水産資源を育む海づくり、漁業者が儲かる経営体づくり、未来につながる水産業の構造改革の三つを柱とした愛知県漁業振興計画を策定し、様々な施策に取り組んでいます。中でも、豊かな水産資源を育む海づくりは、漁業生産者を支える根幹的な取組と考えます。  そこでお伺いします。  漁場生産力の強化や水産資源の増大への対応など、豊かな水産資源を育む海づくりについて、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、さらなる愛知の発展についてであります。
     まず、プレ・ステーションAiについてお伺いいたします。  現在、ソフトバンク株式会社の一〇〇%子会社であるSTATION Ai株式会社が中心となり、二〇二四年十月の供用開始に向けて、スタートアップの創出、育成、展開を図るための拠点施設となるSTATION Aiの整備が進められています。  私は、大きな期待を込めてこの事業を見詰めています。なぜならば、STATION Aiから誕生する企業の中から、日本経済、場合によっては世界経済の新しい流れをつくる企業が生まれる予感がするからです。  遡れば、トヨタ自動車株式会社もパナソニック株式会社も創業当時は小規模事業者でした。これは、GAFAMと呼ばれる米国IT企業の雄であっても同じことではないでしょうか。  創業者が志を立て、世の中のニーズを酌み取って企業を大きくすることは、納税、雇用創出、新規サービスの提供などの面で社会に大きく貢献することになりますから、そうした企業が早く、数多く生まれるように議会人としても最大限応援したいと思います。  このように、STATION Aiが注目される中ではありますが、私は、県が名古屋駅に程近いささしまライブのWeWorkグローバルゲート名古屋内で先行的に実施しているプレ・ステーションAiにも注目しています。  プレ・ステーションAi統括マネジャーを務める篠原氏は、かつては起業家であり、現在はエンジェル投資家として活躍しており、成功も失敗も、国内も海外も、様々な経験をされておられます。その篠原氏がプレ・ステーションAiにいらっしゃるのであれば、これは相当面白い施設になるだろう、そのように思いました。  私は、高校生、大学生、若手社会人を連れて、篠原氏に会いにプレ・ステーションAiに行きました。施設を見渡すと、明るい空間の中で、夢と現実のはざまにもがく起業志望家が多数おり、彼らが先に起業を果たした方の話を食い入るように聞く姿もありました。何かが起きそうな熱気を感じることができたのです。プレ・ステーションAiに起業家を志す若者たちが集まり、彼らがそこで切磋琢磨し、大きく成長、飛躍していける、そのような場を提供する役割をプレ・ステーションAiが果たすことが非常に重要であると思います。  また、この地域から起業家を生み育てることも大切ですが、一方で、彼らを支える投資家の存在も重要ではないかと思います。  スタートアップは、創業の初期段階における資金力が脆弱であり、外部からの投資資金を必要とします。せっかく起業家を多く生み出しても、資金面での支援が不十分であれば、スタートアップは成長することができません。  民間の調査によれば、二〇二一年の国内スタートアップの資金調達額は七千八百一億円と言われておりますが、このうち東京都が六千五百三十一億円で八三・七%を占めており、愛知県は三十八億円、約〇・五%にとどまっております。  起業家と投資家は車の両輪のような関係にあります。間もなく一兆円市場に迫るとも言われるスタートアップの資金調達市場において、この愛知でも、起業家と投資家がバランスよく存在するスタートアップ・エコシステムの形成が必要ではないでしょうか。  そこでお伺いします。  スタートアップの成長や資金調達など、プレ・ステーションAiではこれまでにどのような成果が得られたのか、また、その成果をSTATION Aiにどうつなげていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、アジア競技大会、アジアパラ競技大会を活用した地域活性化についてお伺いいたします。  二〇二六年に愛知・名古屋でアジア最大のスポーツの祭典である第二十回アジア競技大会が開催されます。現在、大会コンセプトであるアスリートファーストの視点を踏まえながら、簡素で質素、機能的で合理的な大会を目指して、組織委員会を中心に、競技や選手村、輸送、宿泊などの大会運営について鋭意取り組んでいると思います。  一方、県では、この大会を単なるスポーツ大会の開催にとどめることなく、地域の活性化につなげていくため、二〇一九年三月にアジア競技大会を活用した地域活性化ビジョンを策定しております。  本ビジョンでは、スポーツ・健康、観光・文化、地域経済・産業、人材育成・国際貢献の各分野において、大会を契機として目指す姿や取組を示しており、既にあいちトップアスリートアカデミーやアジア間交流フレンドシップ、ボランティア人材の育成等の取組を推進していると承知しております。  その中でも、あいちトップアスリートアカデミーにおいては、アーチェリー競技のユースアカデミー生が県高校新人大会で二位入賞の上、全国高校選抜大会に出場するなど、既に実績を上げているものもございます。  そのような中、本年四月には第五回アジアパラ競技大会の愛知・名古屋での開催が決定したことを受け、現在、本ビジョンの改訂に取り組んでいると伺っております。  アジアパラ競技大会は、四年に一度開催されるアジア最大の障害者スポーツの祭典であり、アジアのパラアスリートが集う夢の舞台です。この大会を愛知・名古屋で開催することは、障害への理解や障害のある方の社会参加の促進に寄与するとともに、障害者スポーツを応援する方々の交流の促進につながることが大いに期待されます。  このようなまたとない機会を生かし、ビジョンにしっかりと方向性を位置づけることにより、多様性を尊重し合う共生社会の実現に向けて、本県が日本、さらにはアジアをリードしていくことが重要であると考えております。  そこでお伺いします。  本ビジョンの改訂を進める中で、両大会を活用した地域活性化の推進に向けて、県として今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、カーボンニュートラル社会の実現に関し、中小企業の地球温暖化対策についてお伺いいたします。  脱炭素社会の実現に向けた社会的機運が高まっていますが、本県は産業県であるがゆえに温室効果ガスの排出量が全国最多レベルであり、このうち約六割強を占める産業・業務部門の削減対策が課題となっています。  大企業では脱炭素経営への取組が広がっており、また、多くの大企業は、二〇五〇年のカーボンニュートラルを見据えた二〇三〇年度の具体的な排出量の削減目標を策定しており、自身の事業活動からの温室効果ガス排出量の把握や、その削減に向けての設備投資、研究開発等に取り組んでいるところです。  さらに、近年、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す大企業が増加しており、一部の大企業では、サプライチェーンの一端を担う中小企業に対しても、排出量の削減目標の設定や具体的な取組を求めています。  二〇二一年七月に商工中金が実施した中小企業のカーボンニュートラルに関する意識調査によると、カーボンニュートラルの進展が経営に好影響または悪影響を与えると回答した企業は全体の七一%と何らかの影響を感じている企業が多いものの、具体的な方策を実施または検討していると回答した企業は二〇%にとどまっています。  多くの中小企業は、脱炭素に向けた急激な社会情勢の変化に戸惑っており、温室効果ガス削減に向けた具体的な対策に着手できていないということになり、このことに私は強い危機感を抱きます。  中小企業の多くは財政基盤が必ずしも盤石ではなく、情報や知識、そして人材面での制約もあります。また、省エネ設備の導入などの初期コストの高い対策は取りにくいのも現状です。  SDGsの考え方が社会に浸透していく中で、SDGs未来都市である本県は、誰一人取り残さない社会の実現を目指しています。カーボンニュートラルの大きな潮流に直面する中小企業の現実に寄り添った支援がぜひとも必要であると考えます。  そこでお伺いいたします。  地球温暖化対策を着実に進め、一刻も早くカーボンニュートラルを実現するために、本県産業の屋台骨を支える中小企業への支援についてどのように考えておられるのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、誰もが活躍できる社会の実現についてであります。  まず、健康寿命の延伸についてお伺いいたします。  皆さんは、一ドルの投資に対して三ドルのリターンという言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、アメリカのジョンソン・エンド・ジョンソンが世界でグループ二百五十社約十一万四千人に健康教育プログラムを提供して、そのプログラムに基づく投資とリターンを表したものです。お聞き及びの方も多いかと思います。  ここでいう投資とは、健康や医療に関わるスタッフ、事務スタッフに必要な人件費、診療施設やフィットネスルームなどに必要な設備費です。では、リターンは何かというと、欠勤率の低下や勤労意欲の向上などからくる生産性の向上、企業が負担する医療コストの削減、企業イメージの向上や、それに伴う就職人気ランキングの上昇などが挙げられます。  これだけはっきりした結果が出ているなら、企業はこうしたプログラムを取り入れ、いわゆる健康経営を実践すべきと考えますし、経営者の実践に何らかの障害があるのであれば、それを取り除いて後押しすべく、行政が手を差し伸べるべきと考えます。  また、個人に目を向けると、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間、いわゆる健康寿命が長くなることがその人の幸せにつながると考えられます。さらに、そうした個人が増えて、社会全体として平均寿命と健康寿命の差が縮まれば、税や社会保険料負担の軽減を通じて社会全体の幸せにもつながると考えられます。  いかにして健康寿命を延ばすかについては、様々な手法や考え方がありますが、一般社団法人日本セルフケア推進協議会では、セルフケア、すなわち健康に関する関心、正しい理解、予防、健康づくりが重要であると提唱しています。  同協議会が本年四月に厚生労働省に提出した要望書には、予防、健康づくりの費用負担軽減やインセンティブを税制や予算措置で対応する新たな大原則を確立いただくこととあり、医療や介護とは異なり、公的保険が適用されない予防、健康づくりへの行政からの支援も求めています。  今後も少子・高齢化が進むと予測される中では、高齢者を支える現役世代の数がますます減少し、現役世代の負担増加に伴い、子供を産み育てる意欲の減退につながることで、少子・高齢化に拍車がかかるといった悪循環に陥る可能性があります。  そこでお伺いいたします。  この悪循環を絶つ一つの手段として、個人、法人に対する健康づくりの推進施策が重要になると考えますが、どのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いします。  次に、少子化対策の推進についてお伺いいたします。  我が国では、これまで、子供に関する様々な施策の充実に取り組んできましたが、少子化の進行、人口減少に歯止めがかかっていません。また、児童虐待相談件数や不登校児童生徒数が過去最多になるなど、子供を取り巻く状況は深刻であり、コロナによる環境変化がそうした状況に拍車をかけていないかと大変心配しております。  こうした中、国においては、常に子供の最善の利益を第一に考え、子供に関する取組、政策を我が国社会の真ん中に据えて、子供の健やかな成長を社会全体で後押しするため、来年四月にこども家庭庁を設置し、これまで内閣府、厚生労働省、文部科学省等がそれぞれ担ってきた子供に関する施策を一体的に実施することとなりました。  あわせて、従来、それぞれの法律に基づいて、国の関係省庁や地方自治体で進められてきた子供に関する取組の基盤となる基本理念などを明らかにし、子供施策を社会全体で総合的かつ強力に実施するための包括的な基本法として、こども基本法が施行されます。  本県の少子化の現状を見ますと、二〇二一年の合計特殊出生率は一・四一であり、全国平均の一・三〇を〇・一一ポイント上回り、全国順位は二十三位となっています。大都市を抱える都道府県の中では比較的高いものの、安定的に人口を維持できると言われている二・〇七を大きく下回っており、少子化傾向は続いております。  このまま少子化が進行すると、生産年齢人口の減少と高齢化を通じて、労働供給の減少、将来の経済や市場規模の縮小、現役世代の負担の増加など、社会経済に多大な影響を及ぼすことが懸念されます。  少子化の要因は多岐にわたるため、対策も幅広い視点から総合的に対応すべきであり、共働き世帯、片働き世帯など全ての世帯を対象に、結婚、妊娠、出産、子育て、子供の自立といった全てのライフステージにわたる支援が重要であります。  子供は地域社会の宝です。子供を取り巻く環境が大きく変わる中、改めて少子化という県民共通の課題に真正面から立ち向かう時期に来ていると考えます。  そこでお伺いします。  本県では、これまで少子化対策にどのように取り組んでこられたのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、愛知県人権尊重の社会づくり条例に基づくインターネット上の誹謗中傷等の防止に向けた取組についてお伺いします。  インターネットの普及に伴い、多くの人がその恩恵にあずかっているところですが、その一方で、発信者の匿名性、情報発信の簡易性といった特性を悪用した個人に対する誹謗中傷や差別を助長する表現が書き込まれているなど、インターネット上では人権に関わる問題が数多く発生しています。  インターネット上の書き込みにより誹謗中傷などの被害にあった場合は、国の人権擁護機関である法務省の人権相談窓口や、総務省の違法・有害情報相談センターなどの機関に相談することが可能となっていますが、本年三月に法務省が公表した令和三年における人権侵犯事件の状況によると、新規に救済手続を開始したインターネット上の人権侵犯事件の数は、二〇二一年が千七百三十六件と、二〇一七年の二千二百十七件をピークに、ここ数年、高水準で推移しています。  こうした状況を踏まえ、国においては、インターネット上の誹謗中傷などによる権利侵害について、より円滑に被害者救済を図るため、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律、いわゆるプロバイダ責任制限法を昨年改正し、本年十月一日から施行いたしました。これにより、これまで発信者を特定するために二回の裁判手続を経ることが一般的だったところ、一回の手続で行うことが可能となりました。  また、インターネット上の誹謗中傷を抑止するためには、悪質な侮辱行為に対して厳正に対処することが必要であるとして、これまで侮辱罪の法定刑が、三十日間の拘留、一万円未満の科料であったところ、本年七月から、一年以下の懲役、禁固、三十万円の罰金に厳罰化されたところです。  このように、国において、インターネット上の誹謗中傷を防止するための法整備が進む中、本県では、今年度、愛知県人権尊重の社会づくり条例が施行され、その中で、インターネット上の誹謗中傷等の未然防止及び被害者支援が規定されました。  条例では、インターネット上の誹謗中傷等を未然に防止するために必要な教育、啓発その他の施策や、被害者の支援を図るために必要な施策を講ずることとされておりますが、こうした取組を着実に推進していくことにより、条例が実効性のあるものになることを期待しております。  そこでお伺いいたします。  インターネット上の誹謗中傷等を防止し、被害者を支援するため、現在どのような取組を行っているのか、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  結びに、金利上昇に備えた財政運営についてお伺いいたします。  アメリカ連邦準備制度理事会は、今年に入り、六会合連続で利上げを行い、政策金利の誘導目標を下限三・七五%から上限四%にすることを決定しました。これは、二〇〇八年一月以来の高水準となっています。  ヨーロッパに目を転じると、欧州中央銀行でも今年に入って三回、幅でいうと計二%の政策金利引上げを行っています。  一方、日本はどうでしょうか。日本銀行の黒田総裁は、十月のG20において各国に対し、現状の大規模な金融緩和を継続すると説明したようですが、欧米との金利差が開くことで円は売られ、ドルやユーロが買われ、円安が進行しています。  ちなみに、昨年末の外国為替相場を見ると、一ドル百十五円程度でした。これがその後、円安方向へ大きく変動し、十月二十日には東京外国為替市場で一時百五十円台となり、一九九〇年八月以来約三十二年ぶりの安値をつけました。  その後、十二月二日時点では一ドル百三十四円台となりましたが、これほどまでに急激に円安が進むと、輸入物価の上昇が無視できなくなります。十月値上げという言葉が盛んに言われましたが、私たちは今、日用品や食料品、光熱費などの値段が徐々に上がってきていることを生活の中で実感しています。  ちなみに、日本の消費者物価指数を見てみると、十月は前年同月比三・六%の上昇となっており、上昇幅は月を追うごとに拡大基調となっています。  それでは、輸入品全体の物価上昇を主因とした国内物価の上昇が生じているからといって、金融当局がすぐに利上げに踏み切るかといえば、疑問符がついています。国内景気に力強さがない中での利上げには相当悩むであろうと想像されるからです。  さりとて、現状の物価上昇をいつまでも放置できるかといえばそうもいかないことから、いつかは難しい決断を迫られる時期が来るかもしれません。  本県の本年度当初予算における一般会計の県債発行総額は二千八百六十億円、全会計では約五千億円となっております。仮に金利が上昇すれば、県の財政運営に少なからず影響が生じるものと考えられます。  このため、たとえ杞憂に終わったとしても、金利の上昇を危機管理上の問題と捉え、日頃から財政運営を進めていくことが重要ではないでしょうか。  もちろん、このことは愛知県に限らず国全体の問題でもありますので、県は、国の財政当局、金融当局と連携して、金融経済の機微に対して感度を高めていくことも必要であると考えます。  そこでお伺いします。  金利上昇に備え、県としてどのように財政運営に取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いします。  以上、新政あいち県議団を代表して県政各般にわたる様々な課題についてお尋ねいたしました。真摯な御答弁をお願い申し上げまして、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔知事大村秀章君登壇〕 12: ◯知事大村秀章君) それでは、新政あいち県議団の黒田太郎政策調査会長の質問にお答えをいたします。  初めに、新型コロナウイルス感染症に対応する医療提供体制についてお答えをいたします。  感染者が大幅に増加した場合においても、十分に対応できる医療提供体制を確保することは大変重要であると認識をいたしております。  現在の新規陽性者数は、十月中旬より増加傾向に転じ、十一月一日から第八波に入ったと私も認識しておりまして、引き続き増加傾向にありますが、この週末、金土日を見ますと一週間前よりは減っているので、先々週から私もちょっと申し上げてまいりましたが、先週あたりがピークではないかなという感じはいたしますが、ただ、一方で、入院患者さんはしばらくは減りませんので、これは要警戒ということだと思っております。  そうした中で、県では、国が定めたオミクロン株に対応した新たなレベル分類に合わせて指標の見直しを行いまして、保健医療への負荷が高まった場合への新たな対応を定めました。  また、この冬は季節性インフルエンザとの同時流行が懸念されることから、これまでを上回る発熱患者等の増加に備えるため、特に診療・検査医療機関について箇所数の増加を図るとともに、診療時間の延長やかかりつけ患者以外にも対応を広げていただいております。診療・検査医療機関、発熱患者さんを診ていただく医療機関は、今、愛知県内、大体ざっと約二千二百登録させていただいておりまして、しっかり対応していただいております。  あわせて、個人防護具や設備に要する経費を引き続き支援するなど、発熱患者等に関するさらなる診療能力の向上に取り組んでおります。  さらに、多くの医療機関が休診となる年末年始におきまして、救急外来や休日診療所に発熱患者等が集中せず、安心して受診していただけるように、臨時に開設する医療機関及び薬局に対しまして、独自の財政支援を行うための補正予算をこの議会に提案させていただいたところであります。  今回で三回目の冬を迎えることになりますが、引き続き感染状況を見据え、医療機関や県医師会等関係団体の方々としっかり連携を図りながら、適時的確に対応し、県民の皆様の命と健康を全力で守ってまいります。  次に、土砂災害対策の推進についてであります。  本県では、県民の皆様の命と暮らしを守るため、ハード、ソフト両面から総合的な土砂災害対策に取り組んでおります。  まず、ハード対策としては、人家密集地区や避難場所、迅速な避難が困難な方が利用されている医療・福祉施設などの保全に重点を置き、砂防堰堤等の整備を進めております。  また、災害時に防御機能を確実に発揮させるため、長寿命化計画に基づく砂防施設の点検、修繕を適切に行うとともに、今後は、立木を捕捉する施設を砂防堰堤に追加するなどの機能強化を図ってまいります。  今後も、国の防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を活用し、これらの取組を加速してまいります。  次に、ソフト対策といたしましては、身の回りの危険な箇所を知っていただくため、土砂災害警戒区域等の指定を進めております。また、市町村が避難指示を発令する際に、危険が高まっている地区をより的確に判断できるよう、今年度から土砂災害の危険度の判定単位を五キロ四方から一キロ四方に細分化して情報提供しております。  さらに、いざというときの確実な避難につなげるため、避難場所や経路、タイミングを記載するマイ・ハザードマップを住民の皆様に作成していただく取組を二〇一八年度から市町村と共に進めております。来年度からは家族ぐるみで取り組めるよう、小学生向けの作成キットを提供するなど、より一層の普及に努めてまいります。  今後とも、県民の皆様の命と暮らしを何としても守るという強い決意の下、全力で土砂災害対策に取り組んでまいります。  続いて、自動車産業に対する支援についてお答えをいたします。  CASEの進展は、自動車産業のみならず社会全体に大きな変化を生じさせます。こうした大変革に対し、本県では、様々な観点から多面的な施策を展開しているところであります。  まず、直近においては、電動化の加速が中小自動車サプライヤーに大きな影響を及ぼすものと認識をいたしております。そこで、本県の圧倒的なモノづくりの集積という強みを電動化の時代においても生かしていくため、自動車サプライヤーの新製品、新事業への進出をサポートする専門家によるハンズオン支援プログラムを実施しております。
     あわせて、電動化分野に進出するためのきっかけの場として、自動車メーカーや大手部品メーカーの協力の下、電動車等の構成部品等を展示、解説するBEV関連部品展示解説イベントを明日まで開催をいたしております。  また、本県自動車産業がカーボンニュートラルやCASEといった潮流に取り残されることなく、さらに新たな価値を創出していくことをサポートしていくことが肝要であります。  そのための環境整備として、水素社会の到来をにらんだ水素ステーションの整備を全国一の規模で推進するとともに、高齢者等の移動手段の確保など、社会課題の解決にも資する自動運転の実証実験等を実施してまいりました。  加えて、自動車産業の国際競争力強化や国内市場活性化の観点から、自動車諸税におけるユーザー負担の一段の軽減と簡素化などの抜本的な見直しを行うよう、九県知事・二政令市長連名の緊急声明を愛知県が取りまとめ、連名自治体や自動車関係団体と共に政府及び与党に対し、先月要請を行いました。  今後も、こうした支援策を総動員して、本県の自動車産業やモノづくりの世界的な競争力をさらに高めてまいります。  続いて、豊かな水産資源を育む海づくりについてであります。  本県では、漁場の生産力の強化や水産資源の増大に向けて、栄養塩環境等の適切な管理や新しい漁場づくり、栽培漁業の強化などを愛知県漁業振興計画の重点施策に位置づけて取り組んでおります。  黒田議員お示しのとおり、窒素やリンといった栄養塩は水産資源の増殖に不可欠なものでありまして、近年はその減少が全国的な課題となっております。  本県でも、栄養塩不足による漁業生産への影響が指摘されていることから、二〇一七年度から五年間、三河湾沿岸二か所の浄化センターにおきまして、秋から冬にかけて放流水中のリンの濃度を増加させる試験運転を行いました。その結果、アサリの身入りやノリの品質によい効果が見られましたが、その範囲が限定的であったことから、本年十一月から二年間、総量規制基準を改定し、窒素とリンをより増加させる社会実験を行っております。その効果については、本年九月に立ち上げた検討会議において検証し、漁業生産に必要な栄養塩管理の在り方を検討してまいります。  また、新しい漁場づくりとして、国土交通省から提供された河川等の砂を活用して干潟、浅場の造成面積を今年度から倍増し、魚介類の生息の場を拡大させるとともに、漁場に石をまく貝類増殖場の造成について、現在行っている三河湾でアサリ資源の回復に効果があったことから、今後は伊勢湾にも広げていくこととしております。  さらに、栽培漁業を強化するため、県栽培漁業センターにおいて、漁業者の要望が強いハマグリなど新たな魚種の生産施設の建設に着手しており、二〇二五年度から生産を開始することといたしております。  今後も、本県水産業が持続的に発展するよう、豊かな水産資源を育む海づくりにしっかりと取り組んでまいります。  続いて、プレ・ステーションAiについてのお尋ねであります。  プレ・ステーションAiでは、専門的な知見を持つ統括マネジャーが常駐し、起業に至るアイデアの具体化や資金調達の手法など、スタートアップの成長段階に応じた起業支援を行っているところであります。  今年度新たにフランスのステーションFの知見を取り入れたプログラムの実施や、リモートメンバー制度の導入などを行い、登録メンバー数は昨年度末の四十八社から百五十五社へと増加しております。  具体的な成果としましては、開設から昨年度までの約二年間で、会社設立に至ったスタートアップが十四社、資金調達の達成が十四社、製品開発が六社、事業会社との協業開始が十一社ありました。  また、今年度は、既に十三社がベンチャーキャピタルなどからの資金調達を達成しているほか、この十月には上場企業に対し、出口戦略の一つであるM&Aによる株式譲渡を実現した事例もありました。いわゆるイグジットということです。  さらに、今年五月に県も出資したステーションAiセントラルジャパン一号ファンドでは、これまでに二社のプレ・ステーションAiメンバーに対する投資を実施しております。  こうした取組によりまして、プレ・ステーションAiでは、メンバーの集積や資金調達環境が整いつつあります。  本県では、これらの成果を踏まえながら、今後はさらにスタートアップにおける人材面の支援や、ユニコーン企業として飛躍的に成長する可能性のあるスタートアップの成長を加速させる取組など、スタートアップが直面する現下の課題にストレートに対応するための施策を強化し、この地域にさらなる人、物、金を集結させ、STATION Aiが二〇二四年十月の開業と同時にロケットスタートを切れるよう、取組の一層の充実を図ってまいります。  次に、アジア競技大会、アジアパラ競技大会を活用した地域活性化についてお答えをいたします。  アジア競技大会は、スポーツの振興を促進するのはもちろんのこと、成長著しいアジアに向けて、本県が持つ魅力や先進的な産業技術を示す絶好の機会であり、国際交流や観光の促進、さらには産業振興につながると考えております。  本県では、こうした大会が持つインパクトを最大限に生かすため、二〇一九年三月にアジア競技大会を活用した地域活性化ビジョンを策定し、取組を着実に進めております。  そうした中で、本年四月にアジアパラ競技大会の開催が決定したことを踏まえ、地域活性化ビジョンの改訂に向けた検討を進めております。  このビジョンでは、全ての人が活躍できる愛知をつくるを新たな目標の一つに掲げたいと考えております。その上で、学識者やパラアスリートなどで構成する有識者会議で示された環境やジェンダー等様々な社会問題の解決への貢献、県全体のユニバーサルデザインのまちづくりの推進といった視点を位置づけるなど、年度末の改訂に向け、検討をさらに深めてまいります。  その上で、本県としましては、今後、パラスポーツの観点も踏まえ、市町村や地元関係団体等と連携し、アジア各国との交流やアスリート育成などの取組を引き続き推進するほか、両大会を活用したメード・イン・愛知のブランド力や観光資源の魅力の発信などを通じて、地域の活性化を進めてまいりたいと考えております。  さらに、共生社会の実現に向けた取組につきましても、地域活性化ビジョンにしっかりと位置づけて、関係者と連携して積極的に推進してまいります。  続いて、中小企業の地球温暖化対策についてであります。  本県内の中小企業の温室効果ガス排出量は、県全体の約四分の一を占めており、カーボンニュートラル社会の実現のためには、中小企業による排出削減が必要不可欠となっております。  加えて、昨今の歴史的な原油・エネルギー価格の高騰から、エネルギー使用量の削減が急務となっており、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入が一層求められております。  本県では、こうした課題に直面する中小企業を支援するため、二〇一四年度から専門家が無料で企業訪問等により省エネ対策や温暖化対策のアドバイスを行うあいち省エネ相談を実施しているほか、今年度からカーボンニュートラルを実現するための設備導入に必要な資金を低利で融資する制度を設けております。  さらに、今年の八月以降、県内事業者に対し、再生可能エネルギー設備の導入やエネルギー消費効率の高い設備への更新を支援する補助制度を設け、多くの中小企業に利用いただいております。  こうした中で、現在、グローバル企業を中心に脱炭素化を企業経営に取り込む動きが世界的に進展しており、本県内においても、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す大企業からCO2排出量の削減を求められるサプライヤーもありまして、そうした要請に応えることも中小企業にとって大きな課題となっております。  一方、中小企業の中には、既にCO2削減対策に積極的に取り組み、自社で開発したシステムを他社に提供したり、培ったノウハウを生かして新たにコンサルティングを展開している、そうした意欲的な企業さんもあります。  脱炭素経営に取り組むことは、エネルギーコストの削減だけでなく、企業の社会的評価の向上や資金調達面での優位性の確保、新たなビジネスチャンスの可能性にもつながるものと考えられております。  県としては、脱炭素経営のメリットや成功事例の紹介とともに、排出量の算定や削減目標の設定など、中小企業の脱炭素化に必要な支援を行い、カーボンニュートラル社会の実現につなげてまいります。  次に、健康寿命の延伸についてお答えをいたします。  健康寿命の延伸は全ての県民の願いであり、これを実現するためには、一人一人が健康づくりに取り組むとともに、社会全体で支えることが何よりも重要であります。  本県では、健康日本21あいち新計画に基づき、様々な健康づくりの施策を総合的、計画的に進めております。  中でも、本県独自の取組として、運動や食生活の改善などに取り組んだ方々が県内の協力店で各種優待サービスを受けることができるあいち健康マイレージ事業を実施しているほか、若い世代や働く世代の方々にも気軽に健康づくりに取り組んでいただけるよう、健康づくりを支援するスマートフォンアプリ、あいち健康プラスを開発、運用しております。  また、社会全体で支える効果的な取組といたしまして、栄養バランスを考えた食生活を支援するため、県内の飲食店やコンビニ店等に参加していただける食育推進協力店を通じて、食生活に関するポスターの掲示やリーフレットの配布など、健康に役立つ情報を提供する事業を実施しております。  さらに、健康経営に取り組む企業の登録制度を設け、本県が管理運営しているあいち健康経営ネットで制度の周知や好事例の紹介等を行っております。登録企業は、県独自の中小企業融資制度の活用が可能であり、特に優れた取組を行う企業への表彰などを行っております。  現在、本県では、健康づくりのさらなる推進のため、生活習慣や健康づくりに関する県民調査を行っておりまして、今後はこの結果も参考にして、さらなる効果的な施策を積極的に推進し、全ての県民の皆様が生涯を通じて健康で生き生きと過ごすことができる健康長寿あいちの実現を目指してまいります。  続いて、少子化対策の推進についてであります。  本県では、少子化対策を総合的に推進するため、あいちはぐみんプラン二〇二〇─二〇二四に基づいて、若者の就職から結婚、妊娠、出産、子育てまでのライフステージに応じた切れ目ない支援に取り組んでまいりました。  これまで、保育サービスやワーク・ライフ・バランスの充実等により待機児童は大きく減少し、女性の労働力率の特徴を示す、いわゆるM字カーブも改善するなど、着実に成果を積み重ねてきているところであります。  一方、少子化は予想を上回るスピードで進んでおり、新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響により、現在の生活や将来への不安感が増す中、少子化対策を着実に進めていくためには、子供を安心して産み育て、また、子供を守っていくことのできる環境づくりが何より大切であります。  このため、子育て世代に対する緊急の経済的支援として、県独自に保育所等への給食費助成を行うとともに、児童一人当たり一万円の給付を十一月下旬から順次開始しているところであります。  また、喫緊の課題であるヤングケアラー支援の取組として、三市でモデル事業を実施するとともに、県内小中高生五十四万人に対して、理解促進のためのパンフレットを配布することとしており、現在中間見直しを行っているはぐみんプランにこうした新たな取組を位置づけ、積極的に推進してまいります。  来年四月のこども基本法の施行や、国のこども家庭庁の発足により、社会全体で子供を支え育む機運が一層高まることが期待をされております。今後とも、子供を取り巻く様々な環境変化に的確に対応し、子供を安心して産み育てられる社会づくりを推進してまいります。  次に、インターネット上の誹謗中傷等の防止に向けた取組についてのお尋ねであります。  本県では、インターネット上の誹謗中傷等の防止については、喫緊に取り組むべき重要な人権課題であるとの認識の下、本年四月一日に施行した愛知県人権尊重の社会づくり条例に個別に条項を規定して、様々な施策を推進しております。  今年度は、新型コロナウイルス感染症、部落差別、外国人、障害者に関する差別的な書き込みを対象としたインターネットモニタリング事業を実施し、十月末までに三百五十件の書き込みを把握し、このうち、差別を助長する悪質で違法性の高い十九件について、人権擁護機関である名古屋法務局に削除要請を行っております。  また、本年八月の条例啓発イベントでは、SNSでの誹謗中傷により最愛の娘さんを亡くされ、その後の活動が侮辱罪の厳罰化など刑法の見直しにつながったことでも知られております木村響子さんに御講演いただくとともに、十二月四日から十日までの人権週間に合わせて人権ポスター等を作成し、インターネットの正しい利用について、広く県民の皆様に啓発を行っているところであります。  さらに、県東大手庁舎に設置をいたしましたあいち人権センターに新たに人権相談窓口を設け、インターネット上の誹謗中傷等を受けた被害者に対する支援も行っております。  今後、インターネットモニタリング事業やインターネットの適正な利用に向けた啓発事業をさらに充実させることにより、インターネット上の誹謗中傷等の防止を図るとともに、弁護士相談による被害者支援などに取り組むことで、多様性を認め合う、誰一人取り残されることのない人権尊重の社会づくりを推進してまいります。  私からの最後の答弁になりますが、金利上昇に備えた財政運営についてお答えをいたします。  金利上昇による公債費負担を抑制するためには、県債残高を抑制することが肝要であります。本県では、あいち行革プラン二〇二〇に基づいて、通常の県債の実質的な残高について、二〇一九年度決算の水準を超えることのないよう維持、抑制に努めております。  また、国内金利が上昇傾向にある中、県債の発行に当たっては、市場環境に即した適正な発行条件にできるよう取組を進めております。具体的には、発行時期の平準化や、発行年限・条件決定方式の多様化を行うとともに、発行時期や償還年限等をあらかじめ特定しないフレックス枠を活用するなど、発行の柔軟化を推進しているところであります。  さらに、こうした市場環境の変化に適切に対応していくためには、金融等に関する専門的な知識が必要となります。このため、地域経済の動向や金融情勢の変動に関する情報収集にたけた国など関係機関との連携を図りながら、地域経済分析や金融市場に精通した専門性を有する人材の育成にも取り組んでまいります。  今後も引き続き、県債残高の抑制や安定的な資金調達に取り組み、公債費負担の適正管理に努め、財政運営に支障が生じることのないようにしっかりと進めてまいります。  以上、御答弁申し上げました。 13: ◯警察本部長鎌田徹郎君) ゾーン30プラスの推進についての御質問についてお答えいたします。  県警察ではこれまで、生活道路の交通事故抑止対策としてゾーン30を推進してまいりました。このゾーン30は、歩行者等の通行が最優先され、通過交通が可能な限り抑制されるという基本的なコンセプトに対する地域住民の同意が得られる区域におきまして、最高速度を時速三十キロメートルに抑制する区域規制等を講じることで、区域内における車両の速度及び通過交通の抑制を図るものでございます。  ゾーン30プラスでは、このゾーン30に、車両の速度を低下させるなどの効果がある物理的デバイスを適切に組み合わせることとなるため、議員お示しのとおり、より高い交通事故抑止効果が期待されるものと考えております。  ゾーン30プラスの整備に際しましては、道路管理者との連携や地域住民の同意等が不可欠でございますので、関係者間で整備に向けた調整や検討を進めてまいりましたところ、今月中に名古屋市中村区において県内初となるゾーン30プラスを整備する予定となりました。また、今年度中には名古屋市瑞穂区においても、さらに一か所の整備を予定しているところでございます。  ゾーン30プラスは、高齢者や子供だけでなく、地域住民が日常的に利用する生活道路の安全確保を図るものであり、県民の安心・安全に直結する施策であると考えております。  引き続き、道路管理者と緊密に連携の上、地域住民との合意形成を図りながら、ゾーン30プラスの整備を推進してまいります。  以上でございます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 14: ◯四十一番(山田たかお君) 本日はこれをもって散会し、明十二月六日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 15: ◯議長須崎かん君) 山田たかお議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 16: ◯議長須崎かん君) 御異議なしと認めます。  明十二月六日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後二時十分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...